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世界観が変わると何が起きるのか?  ~リンさんのイベントに現れたシンクロニシティ~

みなさま、ここ数ヶ月注力していたリン・ツイストさんの来日イベントを終えて白い炭みたいになってるマモさんです。今日の kNot Mott Blog は9/4日のご報告も兼ねて、イベントの場に立ち現れていた(と私には見えた)「夢が変わり、ゲームが変わり、世界が変わる」ことのきざし についてシェアします。(またまたちょっと長いです)

photo by Shie Okajima

リンさんのように魅力と影響力のとても大きい人が来てイベントがある場合、その人による独演会で終わるようなことがほとんどですが、今回私も関わったNPO法人セブン・ジェネレーション主催のイベントは、むしろスピーカーと参加者が一緒になって未来を探求するようなイベントでした。そして、そんな場が実際に出現していたなと感じています。

© Pachamama Alliance

今回のイベントは「夢を変え、ゲームを変え、世界を変える」がテーマでした。(この意味するところについては先日の特集ブログシリーズをお読みください!)企画チームが事前にこのことの意味を対話する中で明らかになってきたのは、「このテーマが実現するためには『私たちはバラバラである』という思い込みの世界観から『すべてはつながっている』ということに私たちの見方がシフトすることが不可欠だ」ということでした。

photo© Mamoru Sekiguchi, hands: MICKEY?

リンさんたちパチャママ・アライアンスの考え方では、今世界中で起こっている様々な問題の根っこには、「世界はまるで機械のように分解・分断・分析可能で個別なパーツのような存在がバラバラにある」というものの見方があると考えていて、そのような見方から「すべてはひとつであり、つながり合っている」という世界観に基づいた在り方へと人々の考えや行動が変わる時に、大きな変容が起こる と考えています。

今回リンと一緒にイベントをリードしてくださった「よく生きる研究所」の榎本ヒデさんもこの見方の変化が起こるような意図を持ってプログラムをデザインしてくださいました。そして、最初に今世界中で起きている問題について参加者全体で考えた後で、「新しい目で見る」ための見方を紹介し、そこから問題に対してどのように取り組んでいったらよいかのダイアログを進めていきました。

実はこのイベント、当日のプログラムだけでなくその前の段階からも新しい見方で世界を見るための工夫がされていたのです。そんな見方の変化を促進するための一つの試みは、「ギフト・エコノミー」という参加の仕組みでした。これは、ギフトを贈りたいという思いをお持ちの参加者の方に、通常の参加費以上の金額をギフトとして払っていただき、その分を、何かしらの理由で通常の参加費を支払って参加することが難しい方、またはギフトを受け取るという形で参加したいという選択をする方にお届けするというものでした。

普通に考えたら、人の分まで余計に払う人いるの?という感じですよね?実際企画チームの中でも本当にこの仕組みが機能するかは、実行に移すまで??という感じでした。

Art by Miyako Okugawa

ところが、フタを開けてみてびっくり!実際にはギフトを受け取りたいとお申し出の方よりも、ギフトを贈りたいという方のほうがずっと多かったのです。(ちなみに、手前味噌のようですが、企画チームのメンバーの中にも、「まずは自分からこの考え方を体現しよう」という人が多くいました。自分たちが大切だと思う価値観を自ら表現したメンバーが場を創っていたということには、とても大きな意味があったように思っています)

そんな中で進んだプログラム、一見すると偶然にしてもちょっとありえなくない?これ!と驚くような「シンクロニシティ」がそこここで起こっていたのです。特にそれがわかりやすく見えたのは、会場の中でランダムにペアを決めて対話したプログラムでのことでした。180人もの中からたまたま目を開けて目と目があった二人が、びっくりするくらい同じ問題に対して強い関心と意識を持っていた同士だったり、ギフトを贈った人とその人から受け取った人がそれまでは全く面識がないのにペアになっていたり…さらにイベント後の振り返り会の場でも、全くランダムに4~5人でグループに分かれたらほぼ全員が仕事を辞めたばかりの人で、似たような課題や問題意識を持っていたり…。偶然で片付けるにしては出来過ぎとしか思えないような、「人々のつながり」が出現していたのです。

photo by Shie Okajima

ある参加者の方は、こう言った現象を、「こっち側の世界で見るとびっくりするような偶然も、あっち側の世界(すべてがつながっているという世界観で見る世界)で見れば、もう普通に日常的に起こっていることなのかもしれませんね。それを普段私たちは気付けていないだけで…」とおっしゃっていました。もし仮に、リンさん・ヒデさん、そして企画チームがみんなで意図していた「新しい目で見る」ための場が本当にそこにあらわれていたとするなら、こんな偶然がポンポン起こることはちっとも不思議ではないことなのかもしれないな。そんな風に感じたのでした。

ちょっと大げさすぎる捉え方に思われるかもしれませんが、少なくとも、そのような「見方の変化が変革につながる出来事のきざし」みたいなものがあの日、あの場所に姿を現していた。そう考えると自分にはとても自然でしっくりくるように感じられています。

シンクロニシティ ~未来をつくるリーダーシップ~

マモさんのkNot Mott Blog 8/29号で紹介している『源泉 (Source) -知を創造するリーダーシップ』という本を書いたジョセフ・ジャウォースキーさんですが、この本の前にその名もずばり『シンクロニシティ ~未来をつくるリーダーシップ~』という本を書いています。その本の序文の一節に、この日起こったことを表現しているのかも?と思える表現があったので紹介しますね。

「われわれはまず、『心のあり方の根本的な変化』に対して心を開かなければならない。世界がどのように作用しているかということについて、われわれは自分が思う以上にとても深いメンタルモデルを持っている。そんな自分のメンタルモデルが変わらなくても世界は変わりうるなどと考えるのは愚かなことだ。その変化とは具体的にどういうものかと尋ねると、ジョセフは『〈世界はさまざまなもので構成されている〉という考え方を、〈世界はひらかれていて、もともとつながり合いで構成されている〉という考え方へ変えることだ』と答えた。」

・・・・・

「これまでとは違う心のあり方を持って行動すると、一心に取り組むことについてもまったく違った意識を持つようになる。そして新しい取り組み方が作用するようになると、自分の周囲に流れが生じ、さまざまなことが自然に起こるようになる。つまり『シンクロニシティ』と呼ばれるものを経験するようになるのだ」

ジョセフ・ジャウォースキー 『シンクロニシティ ~未来をつくるリーダーシップ~』

野津 智子訳、英治出版 10~11頁


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